〜 ひとりとふたり 〜



これほど近くに居る存在なのに心の奥底、まだ不安という蟠りがある。





と結婚して一ヶ月余り。

僕は今サンクフレシュの執務室で新製品のサンプルを確認していた。
デスクにあるのは殆ど薬品だ。頭痛薬、腹痛薬、胃腸薬、栄養補助食品など色々・・・。
この大量なサンプルの製品も一ヵ月後で出荷発売予定だ。
仕事を終え時間を見ると9時を過ぎていた。外も既に暗くなっていた。
「早く家に帰りたいですね。」
には遅くなると連絡をしたが、の声は寂しいような声をしていた。
帰宅の準備をし、時間的に会社のエントランスのドアはロックしてある。
裏口から出るともうそこは駐車場である。帰りは基本的にこちらから出ることが多い。
自分の車へと向かった。
会社は殆どの人が帰宅しているので静まっているが、外は歩道と道路に面しているので車の騒音が駐車場に響く為、煩い。
賑やかなショッピングモールがあれば遅い時間だとしても人々が出歩くのは判るが、この付近にはそういった施設が無い。
銀行や証券会社、金融機関が殆ど集中しているので営業時間はとっく終了している。

―――。
人が走っている独特のリズム音が微かに、駐車場の外から聞こえてきた。人間の聴力では聞き取る事はまず出来ない。
この時間になっても人がうろついてるなんて事は滅多に無いはず。
先程連絡を入れたときのの寂しそうな声を思い出してしまう。まさか、とは思いつつ出入り口から出た。



「・・・そ、ソロモンっ!」

!」
「寂しくなって来ちゃった!」
少し屈んではぁはぁ、と息を切らし僕の前に留まった。車に乗らず、外に出て心底良かったと思う。
!貴女は・・・!こんな時間に外に出たら危険です!」
「・・・だって、ソロモンも、寂しいと思ったし・・・。」
その言葉に僕はを抱きしめる。ここまで距離のある道のりを走って迎え来てくれた事が嬉しい。
「僕を迎えに来てくれたんですか。ありがとうございます。
でも、夜の外は危険です。
昼ならまだしも、夜になれば人気の無い場所となるんです。貴女の身に何か起こったら僕はどうすればいいんですか?」
あ、とは注意を受け入れる。
「ソロモン・・・ごめんね。」
頭を撫でて、手を繋ぐ。
、家に帰りましょう。」
「うん・・・。」

車に乗って道路を走り、僕は運転をし助手席にが乗っている。
ちら、との方を伺う。いつ見ても凛とした面持ちをしていて綺麗だ。
ふと、が僕を見る。―と目が合ってしまった。
「ソロモン。」
助手席にいるが顔を近づけ僕に寄り掛かった。耳元にの呼吸熱を感じる。
、今は運転中です、ちゃんと大人しく座っていてください。」
「ふーっ」
「!!」
耳に息を吹きかけられ、ブレーキを踏むと車体が前のめりに停まる。
運転に集中できなくなるじゃないですか・・・。
!危ないです!それに、そんなかわいい事しないでください。僕も男であって理性が崩れます・・・。」
「!・・・。ソロモンさっき顔赤くしたね。かわいい所もあるんだ。」
そういう話題は直ぐに逸らす。あんなことをされたら僕は引き下がれない。
「貴女から仕掛けてきたんですよ?僕がどういう人物かは良くご存知の筈です。」
を見つめ意味を訴える。
「だって私、いつも貴方の言葉で流されてばかりだから・・・!悔しいと思って、
私もソロモンが照れて赤くなった所を見たくてやったの。」
こんな事を思っていたが可愛いと思う。全く。
「それで耳に息・・・ですか。貴女って人は・・・。それに僕のことを「かわいい」と言うなんて貴女位です。」
コツンと僕はの頬を両手で包み込み額にあわせ、見つめた。
「いいですか?。僕は貴女のしもべであり、奴隷であり、忠誠を誓った。
僕が貴女を愛した時点で、僕の負けは、確定してるんですよ。」
は顔を赤くし、僕に顔を固定されているので恥ずかしいらしく僕の目から逸らし、口をぱくぱくさせながらもう一度僕を見た。
「言葉が苦手なら、態度にだしてくだされば、いいですよ?つたわりますから。」
「ソロモン、今日も一緒に寝て・・・。」
「・・・それならいつもと変わりませんね。僕がいつも隣にいるではありませんか。」
引き下がる気は無い。こんな時は僕も意地悪をし、敢えて聞いてみる。
は言えるわけ無いだろう、と目で訴えてきた。
「・・・シュヴァリエは眠らないから寂しいね。」
・・・答えを逸らした。言わないつもりですか。
僕は体を離し、運転を再開した。それでもは下に俯いたまま僕のスーツの裾を掴んでいた。
「その分、貴女の寝顔がみれますから。飽きませんよ。ふふっ。さぁ家に帰りましょう?」
「うん・・・。」
は先ほどの回答を後で言う事になると気づいてるのだろうか、と思いつつ速度を上げ家へ向かった。




―――――結局家に着いたのが遅くなってしまった。
でも今日の帰りはと一緒に帰ることができ嬉しかった。

「着きましたよ、。」
僕は車から降り、の方のドアを開け、右手を差し出した。もそれに応じ手を乗せてくれた。
「あ、ありがとう。そうやって右手を出すと、リセでの舞踏会を思い出しちゃった。」
リセの舞踏会では僕と踊ったとき僕を見て頬を赤らめながら柔らかい笑顔をして踊ってくれた。
と僕が初めて出会った時から、今も変わりなくとても可愛いですよ。
でも、知り合う前も当然可愛いかったんでしょうね。」


――ふわっ

僕はを丁寧に地から上げ、横抱きにしてそのまま鍵のかかった入り口のドアを開けて僕の部屋に向かった。
「ソロモン!?何を・・・恥ずかしいよ・・・。」
「誰も見ていないですよ。それとも、僕にお姫様抱っこをされるのは嫌ですか・・・?」
「嫌、じゃ、ないよ。そんなの、決まっているじゃない・・・!」
が僕の首に腕を回し、抱きついてきた。の香りといえる薔薇の香りがふわっと鼻腔を擽った。
「今日のは積極的ですね。」
「あのね、ソロモン・・・さっきの答え、今更かもしれないけどまだ言ってないから言うね。・・・いつも日中は一人で寂しくて、
ソロモンがお仕事に行くとき私も付いて行けたらって、そう思ってたの。
でも甘えたりするの恥ずかしくて、どうしたらわからなく、んっ・・・!」
僕はもうキスをしていた。突然口を塞がれたは驚いていた。
「ん、んっ、・・・むぁ・・・っまだ、続きが・・・。」
はぁ、と口を離す。はもう目が潤んで熱を帯びていた。
、僕に甘えて、頼っていいんですよ?貴女の寂しさを僕が取り除きましょう。だから、も僕の不安を打ち消して。
それに、僕はもう止まりそうにありません。を抱きたい。」
「ソロモン・・・抱いて・・・。」
は言った。                                                
「やっと素直になりましたね。嬉しいです。。」
僕はベッドにを座らせて後ろから抱きしめ、の体温が横抱きにしていた時よりも熱く感じる。
スーツを脱ぎネクタイを外す。Yシャツのボタンを外しながら、のぷるっとした唇を貪るようにキスをし、
も応じ押し合うように舌を絡め合わせた。
「ん、うむ・・・うはぁ・・・ん、ん・・。」
ぴちゃぴちゃと音が生まれ、唾液も糸を引くように艶かしく口から零れた。
、上手いですよ・・・。それと、服を取ってしまいましょうか。」
と、のブラウスのボタンを外して中の下着も脱がした。あらわとなった形の良い乳房を愛撫していく。
頂上にあるツン、としたピンク色の蕾を指の間で強弱をつけ摘んだり遊ばせた。
「あっ・・・はぁっ、ああっ・・・!だめ、そんなふうに弄っちゃ・・・。」
乳房を捏ね繰りながら首から項にかけてキスの雨を降らせ、の反応を窺う。
「ん、・・・はぁ・・・あ、はぁっ。」
元々、の感度の良い箇所は理解している、が、そこを弄ったりするばかりでは事は早く終わってしまう。
の身体をこちらに振り向かせ、乳房を下から上へと舐め上げる。腹部へと下降していく。
ゆっくりと感度を上げていく事に時間を掛け、時には刺激を与えて行き、
愛撫して『自分のものである』という痕を徐々に残してスカートの中に手を入れようとする。
「あ、あっ・・・っあぁ・・・ま、待って。」
僕の手を包み込むようにの手が止めた。

「どうかしましたか・・・?」

「・・・ソロモンは、脱がないの・・・?」

こっちを見つめてくる。脱いで欲しいという要望なんだろう。でも自分で脱ぐのはつまらない。
ふと、いい事を思いついたので、耳元でそれを囁く。

「脱がせてもらえますか?」

びくっ、とが反応した。

「っ!・・・ずるい・・・。でも私、ソロモンに何もしてないから・・・脱がすね。」
おずおずとが僕のYシャツのボタンを外してゆき、膝立ちになってYシャツを捲くった。
から見れば、僕の頭が下に見える。そして僕から見ればの上半身が真正面、至近距離になる。
は途中で躊躇しつつも、捲り上げたYシャツを後ろに降ろし、今度は身を屈めてベルトを外した。
その動作と仕草が堪らなく可愛い。そして艶かしい。
が僕を見上げた。
「ソロモンって身体、綺麗よね・・・。」
「貴女の方が綺麗ですよ・・・それに、ここまででいいですよ。良く出来ました。。」
頭を撫でてやった。が、はそのままズボンのチャックを下ろす。
「え、・・・!」
「嫌・・・私、ソロモンに気持ちよくしてあげたいから・・・それにココ、膨らんでるよ?」
正直下着を穿いているのは辛く膨張していた。これは僕でも恥ずかしい。でも、望まれるという事は嬉しい。
・・・無理はしなくていいですよ。」
の細い手が下腹部に当たる。
下着を降ろされ、勃起したペニスを視る。
「大きい・・・。」
「貴女のせいですから。」
が不安にならないように手を頭に置いた。細い指がペニスを掴み、ゆっくりと茎を上下に擦られた。
始めは擽られる感覚でいたが、快感を受ける度にどくどく脈打つようになり、物足りないと更に刺激を求めたがる。
―――。丁度良い所で先端をなぞられた。

「ソロモン・・・気持ちいい・・・?びくびくしてて、かわいい・・・。」
「っく・・・っあぁ・・・。っあ・・・・・・いいです・・・。」
体を強張らせて、何度もなぞられ声を出してしまう。
が根元から先端に口付けをし舐める。
「ふ、むぅ・・・っあ・・・。」
ぴちゃぴちゃ、ちろ、という唾液と粘液の音が耳に入って、僕を上目遣いで見るが更に僕を興奮させた。
先端を口に含まれ唇で挟む。茎と先端の間を刺激する。舌をまわす様に動かし、刺激される。
「ねばねば・・・ん、ちゅぅぅぅ・・・。」
「うっ・・・くっ、っ・・・!くっ・・・そんな、吸うなんて・・・!」
吸われる感覚で下から快感が込み上げてきて、無意識に腰を動かしての口へと深く侵入した。
「むぅっ!・・・んっんぅ!・・・んぅ・・・ちゅう、ちゅぷ、ん、んんっ・・・。」
侵入したまま先端の裂け目を舌で押し付け弾くようになぞられる。
「はぁっ・・・!うあっ・・・は、ぁ・・・。」
何度も吸い締め付けられ、茎も更に固くなる。
「ちゅ、・・・ふむぅ・・・んちゅ、ん、かたい・・・っはぁ、ここが、ソロモンのかんじる、ところ・・・。」
・・・っ・・・。」
「っふぅ、ちゅぅぅ・・・。」
中に蠢く熱がはちきれんばかりと上昇してくる。抑える事は無理だ。
っ・・・もう出る・・・っ!顔、離して・・・っ!」
忠告をしたにも関わらず、は顔からそのまま咥えつづける。
「ふぁっ・・・このまま・・・出して・・・っ・・・ちゅっ・・・ん、ふぅ・・・んんっ・・・。」
吸い上げるように声も小刻みに高くなった。
ここまでするのだからが逃げないように頭を固定した。
っ、では、ちゃんと受け止めて、くださいね。・・・くっっっ・・・っ・・・・・・っ!!」
頭が真っ白になる。びくん、と体を反らし熱をの口の中へ流し込んだ。
「んんぅっ・・・!」
も体をびくん、とさせ僕のものをゆっくり飲み込んだ。口元に精液が伝う。


「はぁっ・・・苦い・・・。」

「全く・・・無理をするからです。でも、前に教えた事覚えていてくれたんですね。嬉しいです。
次は貴女の番です。力、抜いてくださいね。」

呆としているを押し倒し、キスをし、身に着けていたスカートを取った。
のココ、もう下着まで濡れてますね。これも取ってしまいましょう。」
ショーツを降ろして足を広げ、の秘所から蜜がトロトロ流れていた。まるで食べ頃の熟した果実。
「僕のを咥えて、こんなに濡らしていたんですか・・・それに甘い匂いがします。
いやらしいですね、。」
蜜口に指を入れ捏ね回し、その上にある蕾を弾くように弄り繰り返す度にびくびく身体が撥ねた。
「そんなこと・・・あぁっ・・・っ・・・あっあっ・・・。」
は腰を揺らして僕を見る。快感を求めるその顔はとても艶めき扇情的だ。
「締め付けて・・・また沢山溢れてきましたよ・・・いいですね・・・その顔・・・すごく・・・いい・・・。」
「あぁっ・・・も、欲しい、よ・・・。」
「何が欲しいですか・・・?」
の手が僕の股間に触れる。
「そんなこと言わせるなんて・・・きまっていっ・・・ん、いじわるっ・・・。」
「貴女が僕をそうさせるんですよ・・・、愛してます。あまり慣らしていないので痛いと思いますが・・・。」
蜜口から指を引き抜いての腰を浮かせ、の上を覆い被さるように、ペニスを蜜口へ挿入した。
「あぁっ!!あっ・・・!!」
が抱きつき僕の背中に腕を通す。
「くっ・・・!!っ・・・!!」
昂ぶったペニスを蜜壷の奥へと目指すと襞が絡み締め付けてきた。
「痛くありませんか・・・?」
「あっ・・・っあ・・・はぁっ・・・だい、じょうぶ・・・。」
激痛が伴うほどの痛みを感じてはいないようで、挿入しても大丈夫という所まで来ていたのだろう。
「動きますね・・・はっ・・・あっ・・・。」
こうして動きを止めていても圧迫され押し潰されそうな程締め付けは止まない。
キスをし蜜壷を打ち付ける。
「んんっ・・・はぁっ、んんっ・・・熱い・・・いっぱい、奥まで、きてる・・・っ。」
の方が熱いですよ・・・?こんなに僕が欲しかったのですね・・・こっち向いてくださ・・・い・・・。目、閉じないで・・・?」
「ん・・・ちゅ、ん・・・むぅ・・・んんっ!あっ、ああぁっ!!」
の唇にキスをしながら抜き差しをする度に汗が飛び散り、の肢体が前後に揺れる。
も僕に合わせるようにして腰を動かし、荒い呼吸と嬌声を吐く。
感じやすい所を突くとの嬌声が高くなり締め付けが強くなった。
「っ・・・こんなに締め付けてっ・・・気持ちいいんですね・・・?」
こくこく、と揺らされながら肯定する。
小刻みに揺らし、嬌声もリズミカルに出る。
っ・・・愛してます・・・愛してます!」
肉と肉を打ちつける乾いた音が響き、繋がっている部分は互いの体液でぐちゃぐちゃとなっていて下腹部まで飛び散っている。
「あっあっあっ・・・わたし、もうイっちゃうっ・・・あっ、あっ・・・!」
きゅぅ、とペニスを襞が一層引き締められて絶頂を向かえるのが近くなって来た。
絶頂に向けて腰を動かす。イきそうで堪らないのか、襞もきゅんきゅん締め付けを早くする。
「は・・・あ、くっ・・・、先にイってもいいですよ・・・。」
「―――やだっ、一緒がいいっ・・・!あ、ああっっ!!!」
「・・・っ・・・っ!!!」
ドクン!!
一気に突き上げ真っ白になった。はしゃくり仰け反り、どくどくと脈打った熱を中に解き放ち、
入りきらなかったものがシーツを汚した。
「あ、あっあっ・・・ソロモンっ・・・。」
「・・・・・・っ。」
熱を引き抜くと、びくびくとはくねらせて痙攣し、白濁したものが糸を引いた。

――まだ、これだけでは、終わらせるには早い。
今日はが初めて僕を求めてきたのだから。その分、まだ楽しませてもらおう。




「大丈夫ですか?」
「・・・おなかいっぱい・・・あつい・・・。」
「あ、それはすみませんでした・・・もし、ですが、子供はまだ欲しくはないですか?」
「ううん、出来ていいと思ってる。寂しくはならなくなるでしょう?それに、ソロモンだから・・・。」
を抱きしめた。こんな幸せな事がかつてあっただろうか。
・・・!ありがとうございます。そんな事を言ってもらえるなんて・・・!」
「私、ソロモンを不安にさせていたんだね。私がいつも恥ずかしがって遠慮していたせいで、ごめんね。」
「ふふっ。そんな貴女を愛してしまったんですから。いじめがいもありますしね。」
「そうやって、またからかうんだから!」
「でも、から望んで来てくれて、とても嬉しかったです。」
と耳元に囁いてキスをした。先程の名残ではびくん、とまた反応してしまう。
「ん、っぁ・・・んっ・・・。」
「・・・んっ・・・はぁ・・・。・・・キス、上手になりましたね。」
「はぁ・・・キスは毎日の事だし、あなたの仕込みよ・・・。」
「・・・嬉しい事言ってくれますね。あんまり僕を欲情させないで下さい。ただでさえさっき無理させたと思っているのに・・・。」
「ところで・・・立てますか?その、お風呂入りたいでしょう?それともまた・・・したいですか?」
「ん・・・何か・・・出てる・・・っ・・・。」
「・・・すみません、その、自制がきかなくって・・・。」
「ソロモン、また赤くなってる。」
から顔を隠すように手で抑えた。
「今日の僕もまたどうかしていますね・・・。貴女には適いません。」
くすくす、と彼女は笑った。



「ソロモン、お風呂行こ・・・?」
「では、またお姫様抱っこで僕が連れて行きますのでつかまってください。」
「う、うん・・・」
は裸が恥ずかしいのか汚れてないシーツを肩だけ出して身に纏い、僕はを横抱きにした。
部屋から出てバスルームに向かった。
「ずっと裸でしたのに・・・勿体無い。」
「も、もったいないって・・・。」
「そんなに見つめないで下さい。誘ってるんですか?とにかく今の貴女は全身から甘い香りがして、その声すら甘い蜜のようなんです。」
さっきの情事のの嬌声を思い出してしまう。肌も湿って生暖かくて目もどことなく艶めいていて。
はまた恥ずかしくなってしまったのか、顔を下に向けてしまう。
は本当に恥ずかしがり屋さんですね。」
「だって、ソロモンがそんな事言うからっ・・・。」
上目遣いでこちらを見る。は睨んでる積もりなのだが、僕には全く持って誘っているようにしか見えない。
、僕を誘ってますね。本当のことを言ってください?今、ちゃんと言えば許しますから。」
バスルームの脱衣所に着きを降ろす。
「それに、これ以上はが壊れてしまいます・・・。」
「だ、だって・・・か、体がおかしくて・・・。ソロモン、一緒に入って・・・?」


が僕に抱きつく。やっぱりは体はまだ熱く、脚がふらふらしていて立っているのもやっとの事と伺えた。
「・・・わかりました。その様子だと僕も付いていた方がよさそうですね。その代わり、どういうことになるか解っていますよね?」
の身に纏っていたものを取り、僕もスラックスを脱ぎ、お互い生まれたままの姿になる。
の手を引いて浴室に入った。
浴室の中は暖かく、月光が浴室を淡いブルーに照らされ、浴槽の揺らめく水面に、光が反射し部屋に幻想的な空間が造られていた。
「泣いて懇願しても止めませんからね。」
「・・・壊していいからっ・・・。」
っ・・・!」
壁にを背中を押し付け、キスをした。
「んんんっ・・・はっぁっ・・・んっ・・・。」
口を離し、屈んでのしなやかな肢体を見渡すと、秘所から白濁したものが目に映る。
「シーツで見えませんでしたが、ココ、こんなにしていたんですか・・・。」
「やぁっ・・・言わないでっ・・・。」
「先程したばかりですもんね。」
の手が僕の頭に置かれる。
「綺麗ですよ・・・脚から流れている、貴女のモノと、僕のモノがこんなにも交じり合って・・・あぁ・・・。」
秘所から溢れているものを舌ですくい取る。
「っあ!ぁあっ・・・んはぁ・・・やだ・・・。」
今度は蜜口と蕾を責めてみると、先程の情事より感度が上がっている為か身体が敏感に反応した。
「あぁっ・・・!やっ・・・っあ、ああっ・・・!たてなく、なっちゃ・・・!あ、ああっ!!」
が後方に仰け反るが、後頭部を壁に打たないように僕は立ち上がって腕の中へ抱き寄せた。
が脚を震わせた。同時に蜜口がヒクついて、混ざったものと甘い蜜が床に零れた。
「・・・イってしまいましたか。今日のは本当に感度がいいですね。」

を段差に座らせ、シャワーのお湯の温度を確かめて寒くならないようにお湯を徐々に掛けていく。
「湯加減の方はどうですか?あと、脚ひらいてくれますか・・・?」
「いいけど、まさか・・・。」
「ええ、そのまさかです。この期に及んでまだ恥ずかしいですか?僕が洗って差し上げます。」
「っソロモンのばかぁっ・・・。こんな状態なら、・・・もう解っているくせにっ・・・。変質者っ!!」
最後に罵倒の言葉をもらし、じれったいと身体はもう我慢できないのだと懇願する。
その言葉に対して僕はの手を引っ張り、肘で床を押さえて僕の上に跨がせた。騎乗に近い態勢になる。
「きゃ、ソロモン・・・!?」
幸い、バスルームの床は柔らかい素材を使っているので、背中に固い痛みは感じず、シャワーの暖かいお湯が床に流れてくる。
「では、貴女が僕を犯してください。僕としてはこっちの方がにとって恥ずかしいと思うのですが。
僕はこの態勢でも結構ですよ。」
は自分で熱を求めているのに対して、また恥ずかしがって僕を罵倒してしまった事を後悔して、両手で顔を隠す。
「ほら、。顔隠さないで。さっきの言葉は全然気にしてませんから。」
の手を解いて下からキスをする。
「ソロモン、ごめ、・・・んはぁっ、んっ。」
「・・・ないて、いないようですね・・・良かったっ・・・。」
キスをしているうちにの恥ずかしさも解れてきた。
お互いの熱を感じながら舌だけを出して味わうかの様に絡めあわせ求める。
「はぁ、んん、ちゅ・・・はぁっ・・・っ」
キスをしつつが僕を倒した。
「そうです。。沢山貴女を苛めてしまう、僕を好きにしてください。」
が腰を浮かせて、昂ぶっているペニスを蜜口に当てる。
「あっ・・・ソロモン。いくよ・・・?」
「・・・貴女の望みのままに。」
ゆっくりと腰を下ろし、昂ぶる熱を受け入れて行き、早々と蜜壷の襞が締め付けてくる。
「あっ・・・!ソロモン熱いっ・・・!」
「あ、貴女の方が・・・前よりも数倍にして熱いですよ・・・。」
重力に逆らえないのか脚に力が入らないようで、すんなり根元まで咥え込まれギチギチ絡み付いてくる。
「うっ、はぁっ、き、もちいい・・・あぁっ。」
背中を震わせて望んでいたものを悦ぶ。
さっきまで恥ずかしがっていたは何処に行ってしまったのだろうかと思うが、快感を求める淫乱なも良い。
もっと見たいと思っている内、が腰を上下に動かす。
「はぁっ、はぁっ・・・あっ!ソロモン、きもちい?」
動かされる度、繋がっている部分に混ざったものが溢れ漏らす。
「ええ・・・熱で蕩けてしまいそうですよ・・・っ・・・!」
熱で自分も動きたいと本能が叫んで頭がぼうっとしてくる。
ぎちぎち、ぐちゅ、と僕の良い所を締め付けたりして探していく。

「もっと、気持ちよくしてあげましょう・・・っ!」

が倒れないように手を絡み合わせ僕も腰を動かした。
「きゃぁっ!あぁっ!な、なんでこんな、にっ・・・ひぁっ!」
聞いた事の無い嬌声を発し、動きが僕の動きへと合わされ、床に流れているお湯の音がパシャパシャ跳ねる。
上に揺さぶられるたびに恍惚とした表情を浮かべて赤い目から涙を美しくほろほろ零していく。
先程の情事でできた赤い痕も芸術的にを彩っていた。
欲望が全てをもっと見たいと促していく。――綺麗だ。
「はあっ!あぁぁっ!・・・ああっ・・・!」
繋がっている部分が熱く、陶酔しきっていて快感を味わうことしか考えられない。
お互いを求める吐息が大きくなるほど呼吸も苦しくなっての嬌声も掠れていて、せつなくて狂おしい。
「っはぁ!・・・わたし、ソロモン、大好きっ・・・あいしてる・・・っ!!」
両手を絡めあう。一番聞きたかった言葉を言われ、からキスをされる。  
「その言葉っ・・・僕も愛してますっ・・・!」
角度を変えてお互い刺激を与え求め、又新たな快感が生まれてもひたすら腰を合わせて啼く。
「お、奥に当たってっ・・・ひっ、うっん・・・!」
「ココ、弄ってみたら、どうなるんでしょうね?」
片手を放し、の蜜口の敏感な蕾を摘んだ。
「やあぁ!やだぁ!だ、めっ、・・・あ、ああっ!」
が腰をくねらせ下に擦りつける。
「はっ・・・!くっ。そんなに、悦んで貰えるなんて。・・・光栄です。」
襞は縮小を繰り返して吐き出せ、とペニスに射精を促す。
「きゃ、はあぁぁっ・・・!!わたし、もうイっちゃっ・・・、あ、ああ・・・っ!」
いつ絶頂が来てもおかしく無い限界のあるとこまで来ていた。
ずっと繋がっていたいと思うが、をこれ以上無理させてはいけない。
上体を起こし、を抱きしめる。
っ。僕も、一緒に・・・!!」
途切れ途切れな息遣いで合図を送る。
「んっ・・・!はっ・・・っ!」
「っ・・・っ!愛してます・・・っ!!」

――――。

一気に貫く。再度、上り詰めてくる快感で脳内が真っ白になり、どくどく蠢めいていた熱を蜜壷の中に注ぐ。
「ぁああぁっ・・・っ!!」
注いでいるうちにも快感が又やってくる。
涙を口付けで拭いながら、熱が入りきらなくてもそのまま昂ぶりが治まるまで熱を吐き出した。
「あ、ああ・・・。」
熱を引き抜くと、が力果ててしまった。白濁したものが溢れて更に汚すがそんなものは今はいい。
お互いの鼓動を感じ、落ち着きを取り戻すまでこのまま抱きしめ、慈しむ。

「・・・、愛しています・・・。」


薬を使えば、直ぐに淫らな気分に浸り長く効力を持つが使っていない。
唯でさえ恥ずかしがり屋の貴女が何度も羞恥を振り払いながら一杯一杯、僕のためにここまで淫らになった。
貴女から望んで来てくれるというのはどれだけ嬉しい事だろう。
今日という日は、また一つ特別な日になった。


―可愛くて、苛めてしまう程、愛しい人よ。




翌日。

あれから僕は力尽きて失神してしまったを汚れから洗い流し、寝室で寝かせた。
隣でぐっすりと熟睡しているを見ながら、何度もみているのにの肢体は欲情を誘う、と思った。
身体を洗い流すのも、服を着させるのも、情事が終わったばかりの僕ではこの行為は生き地獄であった。
いや、いつも一緒に寝ているのだから毎日のように生き地獄だ。心の葛藤の闘いである。
シュヴァリエは眠らないのだから。



「こ、声が・・・掠れて出ない・・・。」
「あれだけ出せばいくら翼手でもなりますよ。いい声でしたよ、。」
「い、言わないで。」
「本当はもっとしたいんですがね。」
「やっぱ、ソロモンって変質者!!」
「それは貴女もでしょう?」
「う、うぅ・・・。」




―――生き地獄であっても僕は楽しく有意義に過ごしている。







〜 fin 〜




inserted by FC2 system